いまiPhoneを買うべきでない理由　アップルの次期機種がどうあれ、9月までは待つべき

アップルのスマートフォン「iPhone（アイフォーン）」を買うときに覚えておきたいことが3つある。

1. 次期iPhoneは常に現行品よりも良い。

2. アップルは四季を問わず、常にiPhoneを売ろうとする。

3. 次期iPhoneは9月に発売されることが多いが、その時点で現行機種のうち少なくとも一部の価格が下がる。

　これらを総合した結果が、私の主張する「iPhone不買ルール（ No-Buy Rule）」だ。それは「6月に入ったらiPhoneは買うな。新機種の発売を待て」というものだ。

　今年に関しては、待つべき理由がたくさんある。iPhone6sは非常に良い端末ではあるものの、スマホに対してわれわれが持つ最大の不満のいくつかに応えていない。一番の不満はバッテリー寿命だ。それに対し、サムスンはギャラクシーS7を発売した。これは今買える中で最良のスマホだ。iPhoneを打ち負かすほどのカメラを搭載しているし、プールに落としても大丈夫だ。

　だが次期iPhoneにより、最良のスマホという称号をアップルは再び勝ち取る可能性がある。ウォール・ストリート・ジャーナル（WSJ）の同僚たちによると、外観は現行のものとあまり変わらないが、イヤホンジャックの穴がなくなる。本体はさらに薄く、防水機能は改善する公算が大きい。カメラの性能もかなり向上するらしい。

　待つべき理由はもう1つある。それは次期スマホを購入した場合、しばらくの間それを使う公算が大きいからだ。必須の機能が導入されるテンポが遅くなり、通信会社が2年契約から方針を転換しつつあるなか、消費者が1つの端末を持ち続ける期間は長くなっている。調査会社のコンシューマー・インテリジェンス・リサーチ・パートナーズによると、現在iPhoneを3年以上保有している人の比率は12％と、2年前の5％より増えている。

　したがって、買うタイミングを慎重に選び、自分にとって最も重要な機能が改善されるのを待つべきだろう。今持っている端末を長持ちさせるためにできることもやっておこう。

■待つべき理由とは
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報道による次期iPhoneの青写真。デザインは大きく変わらないが、ボディは薄く、防水型に。ヘッドホンジャックはなくなり、「ライトニング」またはワイヤレス接続で対応。カメラも高性能に（Plusでは2つのレンズで3D対応？）。ストレージは32～256GB。バッテリー寿命は長くなるのか？
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　今年のモデルに関して言うと、主なセールスポイントの2つは、防水機能の向上と、さらに薄型のデザインになりそうだ。このため、ウォークマンにカセットテープを入れていた時代から慣れ親しんできたポート、つまり3.5ミリのヘッドホン用ジャックをあきらめることになる。代わりにワイヤレスのヘッドセットか、アップルの充電用ポート「ライトニング」に差し込むアップル専用のイヤホンを使うようになる。
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iPhone 6s（左）のカメラはサムスンのギャラクシーS7に負けている

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　次期iPhoneは、iPhone6sで改善されなかった部分がかなり良くなるという証拠がある。画面が5.5インチの「Plus（プラス）」モデルには、カメラレンズが背面に2個搭載されるらしい。これで全体的な写真の質が向上するほか、奥行きの効果が加わる予定だ。WSJは確認していないが、アップルによる過去数年の買収を考慮すると、これは理にかなっている。とりわけ、イスラエルの2社（プライムセンスとリンクス）は複数のセンサーを使った3Dイメージングに特化しているからだ。通常の4.7インチモデルには、現行機種より高性能なセンサーのカメラが1個搭載されるとみられる。次期iPhoneに搭載されるソフトウエアのiOS10には、改善された写真整理機能が組み込まれる予定だ。

　新型iPhoneのストレージはさらに大きくなるようだ。iPhoneの計画を知る人物によると、現行のエントリーレベルのiPhoneのストレージは16GBからだが、新型では32GBになるという。これは素晴らしい。私は長年、16GBのiPhoneの存在は、100ドル高い64GBモデルを買わせようとするアップルの策略に違いないと言い続けてきた。

　残る最大の疑問はバッテリー寿命だ。新しいiPhoneがどんなに薄くても、分厚いバッテリー付きケースに入れるのでは意味がない。ちなみに現行のiPhone SE（最小モデル）は6Sより2時間はバッテリーの持ちがいい。

WSJ：http://jp.wsj.com/articles/SB11687939370047813834804582172143608814420?google_editors_picks=true