ドコモのガラホ「不発」利用者「少しでも使い勝手が変わるのはイヤ」

ドコモのガラホ「不発」　厚かったケータイの壁

　スマートフォン（スマホ）の基本ソフト（ＯＳ）を使いながら、従来型携帯電話（ケータイ）と同じように使える新型端末「ガラホ」。このガラホの販売を６月に開始したＮＴＴドコモだが、期待していたケータイユーザーの移行は一部だけにとどまり、店頭では苦戦している現状のようだ。ケータイそのものの生産が中止に追い込まれる可能性が高まる中で、移行を促したい携帯電話会社（キャリア）と使い続けたいユーザーとの綱引きはまだまだ続きそうだ。

　国内の携帯電話会社（キャリア）にとってケータイを使い続けるユーザーをスマホやガラホといった新しい環境にスムーズに移行させることが大きな課題となっている。ＮＴＴドコモの場合、スマホ向けＳＰモードの契約者数が2909万契約なのに対し、ケータイのｉモードを契約している人の数は2151万件に上る（いずれも2015年度第１四半期）。ここ数年でスマホが爆発的に普及したとはいえ、まだまだかなりの数のケータイユーザーが残っているのだ。

　ケータイを使い続けるユーザーの移行を促す製品として期待されたのが今年になって登場したガラホだ。ガラホはスマホ向けＯＳのAndroidをベースとしつつ、形状はケータイと同じ２つ折りというスマホとケータイのいいとこ取りをした製品だ。

　このガラホを、ＫＤＤＩが２月、ＮＴＴドコモが６月に発売して注目を集めたが、現在までの市場の反応は緩やかなものとなっている。キャリアとしては、今もケータイを使い続けているユーザーに納得して移行してもらうのに相当な苦労を強いられているようだ。

　不調な原因のひとつは、ケータイを使い続けているユーザーには、少しでも使い勝手が変わることを嫌う傾向がある点だ。そのため、ｉモードのブラウザではなくスマホ向けブラウザとなるなど、一部の仕様が異なるガラホを敬遠しているようだ。

（以下略）
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO90799970R20C15A8000000/