教えて大先生!
大先生「今日はパソコンの基礎について学びましょう。」
おまいら「先生!クオーター配列ってなんですか!!」
大先生「QWERTY配列はクウォーティー、クワーティ、クウェルティと呼ばれていますが作者のクリストファー氏は配列について語っていないのは説明しましたね。当然ながら配列に名称なんて付けるわけもなく、QWERTY配列なんてのは後付けなんですよ。だからその配列をどう呼ぼうと自由と言う訳です。」
おまいら「それ先生の感想だよね。」
大先生「今日は皆さんが何気なく使っているキーボードについて解説しましょう。前回キーボード配列の成り立ちを説明しましたね。今回は実際にキーボードを選んでみましょう。」
大先生「市販されているキーボードと言ってもピンからキリまで存在し、下は100円、上に至っては127,500円と100倍以上もの価格差があります。」
大先生「以前はパソコンのキーボードも良い物が使われていましたが、それもそのはず。当時のパソコンは30万40万と非常に高価だったので、キーボードもコストカットを一切考えずに作られてきました。しかしパソコンの低価格化が進むにつれスペック表に書けないキーボードは真っ先に削られることとなります。IBM 5576-B01が有名ですね。A01と比較して1万円ものコストカットを行いましたが、それですら15,000円もしています。」
大先生「キーボードにおけるコストカットとして有名なのがメンブレン機構の開発です。これまでは基板を使っていた物が安価なメンブレンシートに代用できるので大きな進歩です。次にラバードームの開発。リモコンや電卓を分解したことはありますか?あれと同じ作りになった、と言うことです。」
大先生「キーキャップもスライダーと独立していた物が一体型になり、部品数が最も少ない状態へとカットされて行きました。ノートパソコンは薄くする為にパンタグラフと呼ばれる機構を開発しました。電車のパンタグラフが由来です。アイソレーションも有名ですね。さらに薄くしようとコントローラーをM/B側に付ける工夫がされていますね。」
キーキャップにスライダーが付いた物
パンタグラフ
アイソレーション
大先生「メカニカルキーボードは基板にスイッチを1個ずつ付けています。OADG109Aでは109個ものスイッチが使われており、どうしても高価になってしまいます。メンブレンでも打ちやすさを追求したキーボードが数多く存在し、キーキャップとスライダーを分けることで打ちやすくしたり、ラバードームを独立させることでタクタイル感を強化したモデルもありました。」
大先生「OADG109AことJIS配列とUS配列の2種類を例にします。国によって独自の配列がありますが、日本で使う上でUK配列を使うメリットが薄いことから今回は説明を省きます。」
おまいら「右側にWindowsキーが付いているモデルと無いモデルの違いはあるの?」
大先生「Windowsの対応モデルとして認証される条件の一つとなります。最新のWindowsマークにしないと対応モデルにならない他、Windows 8以降では右Winキーが条件に加えられました。それにより東プレなど配列を変更せざるを得なくなったメーカーも存在します。」
おまいら「MSが諸悪の根源なの?」
大先生「Macintoshのキーボードもコマンドキーなど専用のキーを追加していたので、それに対抗して追加したのでしょう。Alt+Ctrl+Delも専用のキーを追加したかったとMSは語っています。IBMが生み出した偉大なる101配列を崩す形となるので私は右Winキーが好きではありません。」
大先生「JIS配列配列との違いとして”半角/全角”が”チルダ”になっていることが大きいですね。Alt+`の同時押しでIMEを切り替えることが出来ます。
スペースが長いので変換を多用する日本語では非常に重宝します。OADG106で追加された下段のキーはかな入力をする上では重要ですが、ローマ字入力においては必要性に欠ける他、F6-F10で変換できるので長いスペースの方が便利とされています。ダイヤテックのMajestouch2でもスペースが長くされており、一般ユーザーから好まれています。」
大先生「変換した文字を確定するにはエンターキーを押す必要があり、JIS配列ではUK配列と同じく大きなエンターキーが使われています。大きいから押しやすい、と思いがちですがホームポジションに指を置いた状態だと小指から3キーも離れてしまい、ポジションを大きく崩してしまいます。横長のエンターキーは2キーしか離れておらず、ポジションを維持しつつ押すことが可能です。長いスペースバー(長いのはスペースバー、短いのはスペースキーと呼ばれている)もポジションを維持しつつ親指ですっと押せることから高い人気を誇っています。」
UK配列
大先生「US配列にはLを反転した形状のエンターキー(big-ass enter)も存在しており、Model Fの名残があります。私は嫌いです。大嫌いです。その理由が従来のUS配列から変わってしまう他、Model Fですらエンターの上側が引っかかってしまう為押しにくいことです。」
Model F ibm84.gif
逆Lエンター(big-ass enter)
Model F
大先生「キースイッチの特質としてリニア、タクタイル、クリックの3種類が挙げられます。リニアは抵抗感の無い押し心地。コイルスプリングがありますね。
それを指で押すと抵抗なく押しつぶすことが出来ます。それに似ています。有名なのがNEC PC-9800やCherry MX赤軸です。Cherryとはキーボードのメカニカルスイッチを製造している独ZF Electronicsのブランド名です。MX赤軸はその製品名となります。」
大先生「タクタイルは抵抗感。リモコンのボタンを押したときに”押した感”がありますね。それがタクタイルです。キーボードだとラバードームを使ったキーボード全般やCherry MX茶軸が有名です。後に説明するRealforceと呼ばれるキーボードもタクタイルになります。」
大先生「クリックは文字通りクリック音が鳴るキーボードのことを指します。マウスのボタンを押してカチカチ鳴るのもクリックです。接点に到達したときにクリック音が発生する物があれば、接点の位置でクリック音が鳴るようにした物もあります。意図的にクリックを付けた、と言うことですね。他にもキーボードのスピーカーからクリック音が鳴る物もありますが、特質のクリックとは別になります。クリックの代表としてCherry MX青軸やUnicompのバックリングスプリングが有名です。」
大先生「キーキャップの印字にも種類があり、インクを乗せただけのプリント印刷。インクを乗せ、コーティングを施すことで耐久性を高めたシルク印刷、表面を焼くことで消えにくくしたレーザー印刷、熱によりインクを浸透させることで消えにくくした昇華印刷、印字を裏から光らせることが出来るインサート成形。印字部分とキーキャップ部分を別々のプラスチックで作ることでキーキャップに穴が開かない限り消えることの無い二色成形の6種類があります。」
大先生「プリント印刷とシルク印刷は印字の色が自由に選べる特徴があります。レーザー印刷は表面を焼く為、素材を変更しない限り色が変えられません。
表面にコーティングを施してから焼くことで色を変えることが出来ますが、コストが増してしまいます。昇華印刷は熱を使うことから、耐熱性のPBT樹脂を使用するため高コストになります。またPBT樹脂には耐摩耗もあります。インサート成形は光らせるので色は関係ないですね。二色成形は印字部分の金型が必要になるので複雑な文字に使えません。」
大先生「コストとしては安い順にプリント印刷>シルク印刷>レーザー印刷≧インサート成形>>昇華印刷>二色成形となります。プラスチックは酸化による黄変や耐摩耗の無いABS樹脂が安く、耐摩耗・耐熱性・黄変しないPBT樹脂が高価です。ABS樹脂は表面が削れてツルツルになりますが、PBT樹脂はしっとりとした触り心地です。」
大先生「一般的に普及しているキーボードにはPS/2、USB、無線の3種類が存在します。PS/2はキーボードとマウス専用のコネクタで、キーボード側が対応していれば全てのキーを同時に押しても入力されます。ホットプラグに非対応なので抜き差しが出来ないのが欠点です。USB接続では規格の仕様上最大で6キーまでなので、ゲーマー向けとして今でもPS/2は使われています。Nキーロールオーバーに対応しているモデルが同時押しが可能になっています。USB接続でもドライバを複数インストールすることで擬似的に全キー同時押しが可能なキーボードも存在します。無線接続は今では2.4GHz帯とBluetoothの2種類があり、Bluetoothモデルではペアリングと呼ばれ複数の機器を登録し切り替えることが出来ます。」
大先生「キーボードに付属するUSB→PS/2の変換コネクタは電圧の変化を感知して接続を切り替える仕組みになっており、対応していないキーボードでは使うことが出来ません。キーボードに付属していない場合は非対応だと思ってください。PS/2→USBに変換するコネクタが売られており、そちらはコネクタ側が変換しているので一般的なキーボードで使用可能です。どこまでが一般かはコネクタによります。USB→PS/2に変換する機器も存在はしますが、1万
円と高価な上に、変換したところで同時押しはUSBの6キーから増えないのでUSBの使えない環境以外ではオススメしません。」
PS/2→USB変換器
キーボード側が対応してないと使えないやつ
1万円するやつ
大先生「ここまで配列、特質、印字、端子について学びましたね。では実際にキーボードを選んでみましょう。」
大先生「ちょっと打ってみたら、衝撃が走った。これが1,327円!?正気か!?即購入を決め、レジに持っていって今に至ります。」
ttps://www.youtube.com/watch?v=mN3HE3VyHec
おまいら「”これが2480円!?正気か!?”で有名なコピペですね。」
大先生「iBUFFALO BSKBC02BKFと言うモデルでSolidyearが製造しています。US配列はOEM元が製造しているACK-230があります。このキーボードの凄いことは千円台で独立スライダー、鉄板が使われたキーボードと言う点にあります。メンブレンシートの底にプレートを敷くことで安定性が増すことから、高価なメンブレンキーボードの多くが採用しています。耐久性に難ありで、半年での故障報告も上がっています。安い分燃え尽きるのも早いということでしょうか。汚れてくる頃には壊れて買い換えシーズンが来るのでバランスが取れて良い感じになっています。コスパを考慮してもこれ以上のキーボードは存在しません。」
大先生「ACK-230が千円台ですが、次のモデルは4,500円と倍以上もの価格差があります。メンブレンキーボードは中間の価格層が無いのが欠点と言われ、千円だと思ったら次が4千円と笑うしかありません。」
大先生「かつてDHARMAPOINTが販売していたキーボードでビットフェローズ BFKB109UP1です。i-RocsのOEM?と言われているモデルで、i-RocsからUS配列も販売されています。PBT樹脂にレーザー印刷が使われ、コストを抑えつつキーキャップの耐久性を高めた仕様になっています。USBでの全キー同時押しに対応しており、スタビライザにはグリスが塗られていて底打ちを静かにする工夫も見られます。」
金属の棒がスタビライザ。大きなキーはこれが無いと押すときに引っかかる
大先生「柔らかいタッチなのに、メカニカルのようなカチャカチャしたタッチが合わさっています。難しく言うとミネベアと富士通を足して二で割った感じです。」
ttps://www.youtube.com/watch?v=BxoBh6f53ck
おまいら「無線のモデルは無いの?」
大先生「有名所ですとバトル&ゲット ポケモンタイピングDSですね。販売当時はコンパクトなBTキーボードは1万円近くしていたのにこのキーボードは当時4,800円で売られていて、タイピングソフトがおまけで付いてきました。今ではAmazonで2,380円になっていて全盛期の千円台と比べると割高ですが、それでも他のキーボードと比較すると非常に安価になっています。ポケモンタイピングキーボードと馬鹿にされがちですが、スマートフォン界隈では定番と言われるほどの名機です。」
大先生「安い!コンパクト!打ちやすい!この3点を抑えているのでオススメ度は計り知れません。あくまでスマートフォンやタブレット向けなので、Windows上では不向きです。ちなみにF1-12はFn+数字の同時押しになります。」
ttps://www.youtube.com/watch?v=Mke77ogNRtc
大先生「ダイヤテックから出ているFILCO ExcellioLiteも有名ですね。5千円と安価なのも魅力です。」
おまいら「キーボードに5kって高くないですか?」
大先生「良い物をより安く提供する。そう考えるとキーボードで5kは非常に安価な部類に入ります。家電量販店に並んでいる安かろう悪かろうなキーボードと比較するのがそもそもの間違いです。」
大先生「最高級パンタグラフキーボード。最大でも2.9cmの薄さなので、手のひらを机の上につけて楽な姿勢でタイピングが可能。剛性の高いケースとチルトスタンドを新開発。ノートPCによくある不快な沈み込みをなくし、しっとりとした打鍵感です。また、チルトスタンドにもゴムをつけたので、スタンドを立てた状態でも机の上で滑らず、安定してタイピングすることができます。 」
おまいら「なんでコピペ?」
大先生「私自身、パンタグラフの良さが分からないので本機は所有していません。なのでAmazonの説明文からコピペしてきました。本機にはUSBとBluetoothの2種類が存在し、初号機カラーは発売当初からネタにされてきました。以前ダイヤテックに質問をしたところ、US配列は出す気が無いがテンキーレスは考えている(販売するとは言っていない)とのことです。」
大先生「パンタグラフではIllumination Keyboardを入れて3種類が私がオススメするキーボードになります。このパンタグラフと言う物がメンブレン以上に厄介物で、どのメーカーも微妙なラインナップしか存在せず”良い物”となると片手でも余ってしまいます。キーボード界隈でパンタグラフを好んで使う人が知ってる限りでは存在していないので、ライト層向けの商品でしょうね。だから高級機種は売れないから出さない、と。」
大先生「Illumination Keyboardはロジクール(米Logitech)からリリースされており、今回紹介する唯一のロジクール製品となります。尚MSはありません。りメリハリのあるゴム枕は非常に打ちやすく、不快なゴム感を減少してくれます。鉄板が入って居る効果は分かりませんが、スムーズで心地よく底打ちができます。この手のキーボードだとFnキーの位置が変態になりかねないのですが、右側に上手いこと収納されています。何故この機能がオンかオフか知らせてくれるLEDが無いのかと問い詰めたい悪魔のInsertキーは省かれており、Deleteキーが2キーの高さになっています。
頻繁にDeleteを使う私にはありがたい限りです。バックライトは青色LEDでないので眩しすぎることもありませんし、光度調整も自由自在。私は一切使わないから意味の無いFnキー同時押しでのメディアキー。パンタグラフ愛好家にオススメしたい一品です。」
ttps://www.youtube.com/watch?v=HPN7ZCNBI1E
おまいら「今更だけどポケモンタイピングキーボードはアイソレーションだよね。」
大先生「あ…。え、えーっとメンブレンに戻りますが富士通コンポーネント FKB8769もオススメです。富士通高見沢時代からキーボードを出し続けており、レーザー印刷開発などキーボードにおいて富士通の存在は欠かせません。初期のレーザーはもっこりとしたざらつきのある触り心地ですが、現在のレーザー印刷は制度が上がっているので触っても真っ平らな感じがします。」
大先生「今まで紹介したキーボードはポケモンタイピングキーボードを除き全て鉄板が入っていますが、本機には筐体の底にシールドが入っているだけで鉄板は使われていません。キーキャップのぐらつきが少なく、またRealforceのようなゴム感が抑えられていて非常にソフトなタッチに仕上がっています。この柔らかいタッチは富士通ならではですね。富士通メンブレン愛好家にお勧めしたい一品です。」
ttps://www.youtube.com/watch?v=Hby_OL1DNEA
大先生「いつもの富士通メンブレンとは打って変わり、メリハリのあるタクタイル感が楽しめます。ゴム感が無くボコッと押しつぶされます。プレートも入っており、安定して打つことが出来ます。Ctrl⇔CapsLockの交換用キーキャップが付属しますが、ハードウェア側で切り替える方法が無いのでドライバ側で変更する必要があります。右上の空白は名刺を置くスペースと言われていますが、公式で用途について書かれていないので結論は出ません。分解をしても基盤が入っておらずスペースが空いています。」
大先生「ギアリンク・メンブレンも忘れてはいけません。トラックボール付きの本機は19インチラックの1Uに収納可能なキーボードとして作られており、EM5と同じくステンレスベアリングローラーがエンコーダーになっている日本製トラックボールが付いています。肉厚な鉄板も入っており、コストカットをみじんも感じさせません。それもそのはず。定価はなんと42,000円とKinesisが買えてしまいます。」
ttps://www.youtube.com/watch?v=YL-7ExF0P9I
大先生「タクタイル感が強く、安定感の高い打鍵感です。ストロークの浅いキーボードの中ではIllumination Keyboardよりも打ちやすく感じます。
ギアリンク・メンブレンは他にも親指シフトのThumb Touch(サムタッチ)が出ています。こちらはLibertouchと同じ価格帯なので手の届く範囲になっています。※」
大先生「親指シフトを採用したキーボードは他にもLibertouchと同じ構造のFMV-KB232、板バネを使ったFMV-KB613が存在します。この板バネの特質はリニアで、私が知る限りでは最もスムーズにストロークされます。これ以上のリニアは見たことがありません。」
以前はネオテックが正規代理店となっていましたが、実店舗閉鎖後は個人輸入でしか手に入りませんでした。一昨年にダイヤテックが新たに代理店として販売を開始したことから、日本でも入手しやすくなりました。」
大先生「重厚な打鍵感になっており、これぞメカニカル!と言っても過言ではありません。構造はメンブレンですが。IBMから引き継がれた金型を使い続けているのでゲート痕が酷く、ダイヤテックでは紙やすりを推奨していました。打ち心地には全く影響しないので、その辺りは問題ないですね。」
ttps://www.youtube.com/watch?v=EFjQsnX61-E
大先生「東プレが開発した業務用キーボード。その静電容量無接点方式を採用したキーボードがみんなお馴染みのRealforceです。簡単に説明しますと、内部のコイルスプリングを通電させ、スイッチが押されることで電圧の変化を感知し入力されます。このコイルスプリングに重さは無く、ラバードームにより荷重が決められています。以前は30g、45g、55gの3種類のラバーを切り貼りして変荷重を作っていましたが、今は1枚のラバードームで作ら
れています。」
大先生「高速タイピングに特化したALL30g、タイピングに不慣れな人でも安心のALL45g、安定した打鍵感からゲーマーに人気のALL55gも用意されています。カラーは黒と白、アイボリーの3種類が用意されており、黒色筐体では黄金色と墨色の印字があります。この黄金色はABS樹脂にコーティングを施してからレーザー印刷をしています。墨色はPBT樹脂に昇華印刷をしているので耐久性に優れています。長期使うことを考えると墨色のモデルのほうが良いですね。白色と、白灰のアイボリーは全てPBT樹脂の昇華印刷になっています。」
大先生「フル配列とテンキーレスが日本語・英字と用意されている他、日商エレクトロニクスでお馴染みのHiPro仕様もあります。キーキャップに窪みがあり、シリンドリカルよりも指にフィットします。慣れが必要ですが、慣れればさくさくと打てるようになります。静音モデルも用意されており、30%の静かさが手に入ります。」
???「PFU HHKB Professional 2…萌える。」
QWERTY配列での使用になります。」
大先生「ここまでメンブレン、パンタグラフ、静電容量無接点方式と紹介してきました。残るはメカニカルキーボードのみです。一番有名なのがCherry MXスイッチですね。種類が多いのでわかりにくいですが、簡単に言うとこんな感じです。」
大先生「Cherry MXスイッチの特徴として、ストロークのこすれ感が挙げられます。仕様です。Cherry純正のように肉厚なキーキャップを使うと軽減できますが仕様です。MX黒軸は反発が強いので次のキーに移りやすく、サクサクと打てます。Cherry MXの特徴として、底打ちしなくても認識されることから撫で打ちを覚えることで快適に使うことが出来ます。MX赤軸はスコスコ感が強調されていますね。スコスコと打てるので底打ちをすると五月蠅いです。」
MX黒軸 リニア
MX赤軸 リニア
MX黒軸 ttps://www.youtube.com/watch?v=QTWCumqeMAc
大先生「MX青軸はクリックです。カチカチカチカチ。小鳥が耳元で鳴いているような耳障りなクリック音です。クリックと接点がほぼ同一なので荷重の重いMX緑軸はゲーマーからの人気が高いです。クリック音が鳴る手前で待機することで入力までのラグを軽減出来るのですね。MX白軸はMX青軸と同じ特質ですが、スライダーに潤滑剤が散布されており、滑らかなクリックに仕上がっています。」
MX青軸 クリック
MX青軸 ttps://www.youtube.com/watch?v=RrTZgtlawIk
MX緑軸 ttps://www.youtube.com/watch?v=QxDdVYbjEvM
大先生「ゴミが詰まった出来損ないのリニアことMX茶軸です。タクタイル感が弱いのでリニアなのかタクタイルなのかはっきりしません。明確なタクタイル感を求める場合はMX Clearがオススメです。」
MX Clear (MXクリア軸) タクタイル
MX茶軸 タクタイル
MX茶軸 ttps://www.youtube.com/watch?v=VzJsy8eCooY
大先生「Cherry MXはプレートマウント(鉄板マウント)とPCBマウント(基板直付け)で打ち心地が大きく変化しますが、Cherry純正の2015年モデルからプレートマウントに変更されてしまったことから、現行モデルのみを紹介する今回は説明を省きます。」
大先生「Cherry MXシリーズは基本的にCostarからのOEMなので、自分の気に入ったキーボードを選んでしまって問題ありません。ただロジクールが出している静音仕様のCherry MX茶軸は、Oリングと呼ばれるゴムをキーキャップに装着し底打ち音を軽減しています。これにより不快なゴム感が生じてしまうのでオススメしません。」
大先生「各メーカーが色々なモデルを出しているので選択肢が豊富に見えますが、OEM元が限られていることが原因かテンキーレス(フル配列からテンキーのみを取り除いた配列)でワイヤレスが存在しません。以前は1機種のみありましたが現在入手可能なモデルはありません。存在しないので諦めてください。」
大先生「海外のキーボード好きへのアンケートではDuckyが21.42%、CM Stormが13.78%、FILCOが9.26%だったので、世界で一番売れているメーカーが一番良いに決まっている人はDuckyが良いですね。日本だとサポートの良さと、FR-4 2層基盤によるチャタリング対策や独自のキーキャップによる耐久性の向上を考慮してダイヤテック FILCO Majestouch2シリーズをオススメします。」
ttps://www.reddit.com/r/MechanicalKeyboards/wiki/subscriber_polls
微妙
大先生「Maltronキーボードも有名で、障害者向けに片手でも打てるモデルや、口で入力出来るように特化されたキーボードもあります。高い剛性も売りにしており、値段に見合った作りと言えます。日本では何故か127,500円(直販は送料込みで536.40ユーロ)なので注意が必要です。日本の販売店ではサポートを行っておらず、結局Maltron頼みなので微妙なところです。」
IBM Model Fですね
バックリングスプリングは過重を軽くすると安っぽくなりがちですが、柔らかながらしっかりとした打鍵感になっています
PS/2で動作するので、現行のWindows OSで使える最古にして最高のキーボードです
そうなんだ俺は持っていないが
大先生「”エスリル ニューキーボード NISSE”はエルゴノミクスでは唯一の親指シフト、TRONかな、M式、JIS配列改良版、新JIS配列が選べる他、QWERTY、Dvorak、Colemak配列が選べます。スイッチはCherry MX黒軸、青軸、茶軸、赤軸、GATERON白軸(35g リニア)が選べます。受注生産だからこその充実したラインナップが魅力ですね。」
大先生「Razer BlackWidowはKaihua製のスイッチを採用しており、Kaihua Razer Greenのクリックと、Kaihua Razer Orangeのタクタイルがあります。
KaihuaとはCherry MXのコピースイッチを製造しているメーカーで、偽物を作ってるのか!悪いやつめ!!と思われがちですが、ただ単にCherry MXスイッチの特許切れなだけです。」
大先生「Cherry MX茶軸はタクタイル感が弱かったのに対し、こちらはタクタイル感が強めになっています。Cherry MX茶軸はタクタイルの手前で止まりますが、Razerオレンジ軸は止まる箇所でタクタイル感が発生します。パッケージの通り接点の位置が浅く出来ていました。
軸ぶれが少なく安定感が高くなっていますが、Cherry MX茶軸よりも打鍵音が大きめになっています。個人的にCherry MX茶軸はタクタイル感が弱くて不満だったので、このタクタイルの強さは評価出来ます。」
ttps://www.youtube.com/watch?v=pwNp2rzviVA
大先生「Cherry MX青軸と同じく接点=クリックになっていますが、ゲームをするときにクリック音手前で待機させておくとクリックの後にシャリシャリしたタクタイル感がします。Cherry MX青軸ではこのようなことが無かったのですが、ゆっくりとストロークすることでクリック音を発生する部品が完全に降りきっていないのが原因だと思われます。分解をしたのですが原因が分かりませんでした。結論を言うとCherry MX青軸のほうが精度が高いってことです。クリック音も高めになっているので、品質は劣るけど静かなクリックが良いって人はRazer 緑軸のほうが良いですね。そんな人が居るのかは置いておいて。」
ttps://www.youtube.com/watch?v=gCNIW-hd2IM
大先生「2枚のスイッチを比較するとこんな感じです。Razer オレンジ軸はMX茶軸より良かったのでオススメです。」
大先生「同じくKaihua製のスイッチを搭載したキーボードとしてTruly Ergonomicがありますね。私が個人輸入したモデルはぶっ壊れていたので何も
語ることはありません。」
大先生「AEKIIが生産停止されて悲しい…スイッチ供給元のALPSも簡易スイッチすら供給が終わってしまった…。そうだ!自分で作れば良いんだ!」
大先生「こうしてカナダのMatiasが生まれました。構造はALPS簡易をタクタイルにし、スライダーにM3501と同じく消音ダンパーを入れた物になります。
軸ぶれが少ない他、滑らかなタクタイル感が味わえます。代理店のダイヤテックでは取り扱っていませんが、Bluetoothや日本語配列のモデルもあります。」
このページは以下のウェブサイトを参考にしています
猫のキーボードルーム
http://mineko.fc2web.com/box/kb-room/index.html
スイッチ・キートップガイド構造 | 経済産業省 特許庁
https://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/hyoujun_gijutsu/small_switch/b-1-8-2.htm
Happy Hacking Keyboard | キーボードコレクション | PFU
http://www.pfu.co.jp/hhkeyboard/kb_collection/
ダイヤテック
http://www.diatec.co.jp/
DHARMA POINT | 戦う理由は見つかったか?
http://www.dharmapoint.com/
クラシックPC救済委員会
http://classicpc.org/index.html
大先生「これにて現行モデルのキーボード紹介を終わります。好きなキーボードは見つかったでしょうか?キーボードと一言で言っても千差万別。
本当に沢山の物があります。見た目だけでは分かり難い部分が少しでも解消できたらと思います。」
おまいら「きりーつ、れい、せんせいさようならー」
大先生「はいさようなら。」
来週か再来週に続く
引用元: ・http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1436090756/