さらに良くなった新型HTC One 果たして売れ行きは？

　台湾のスマートフォン（スマホ）大手、宏達国際電子（HTC）への高評価がおとぎ話にすぎなかったとすれば、今週発表された主力製品の新モデル「HTC One（M8）」は驚異的な転機になる可能性がある。

　HTC Oneは昨年、基本ソフト（OS）「アンドロイド」搭載端末の中でナンバーワンと称賛され、さまざまな賞やべた褒めの評価を受けた。それに比べればアップルの「iPhone（アイフォーン）」をはじめとするライバルのスマホは期待外れに見えた。しかし、HTC Oneの売れ行きはさえなかった。

　だが、HTCは完全に終わったわけではない。今年、再起をかけて新しい改良モデルを投入した。昨年ナンバーワンの評価を受けたスマホが、さまざまな点で一段と向上した。しかし、気に掛ける人はいるのだろうか。

　丈夫でなめらかな金属ボディーのゴージャスなスマホは以前にも増して印象的だ。両サイドが丸みを帯びたボディーは持ちやすく、それでいて重厚感がある。フル高解像度のディスプレーは4.7型から5型に拡大した。

（中略）

　筆者は今回の変更点全てを気に入っているわけではない。何かを素早く選択したときに鳴るうっとうしい感電したときのような効果音はオフにしたし、既定のタッチ式キーボードは非常に入力しにくい。ディスプレーの大型化で片手での操作も難しくなった。HTCは、多くの人はより大きな画面を好むと指摘しており、韓国のサムスン電子の5型画面搭載の「Galaxy（ギャラクシー） S4」の売れ行きもそれを裏付けている。しかし、モトローラ・モビリティの「Moto X」のような4.7型のスマホの方が筆者の手にはしっくりくる。

　また、iPhone 5sやGalaxy S5のような指紋認証機能もない。

　HTC One（M8）は非常に画期的な製品というわけではないが、退化はしていない。

デザインを重視する人にとっては市販のアンドロイドフォンの中で1番だろう。もっとも、昨年発表されたHTC Oneもそのような評価を受けていたが、売れ行きは芳しくなかった。

　おとぎ話の世界ではHTC One（M8）の魅力はより多くの買い手の心をつかむだろう。しかし、現実の世界では、サムスンとアップルの両巨頭が恐らく再び売り上げで勝るだろう。



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