サムスン「あらゆるセレブが我々の腕時計を着けていないと時代遅れになる」

数カ月前、サムスンの開発拠点「R5」の会議室では、サムスン電子のモバイル部門のマーケティング責任者である李英熙（イ・ヨンヒ）副社長が、正式発表を控えた時計型端末「ギャラクシー・ギア」など新製品について語っていた。

李副社長はサムスンの新たな重要戦略にも触れ、「われわれは新しいトレンドを作り出したいと考えている。ギャラクシー・ギアを身につければ、若い人々の目には格好よく映るはずだ」と述べた。

李副社長はサムスンのイメージチェンジ戦略において重要な役割を果たしている1人だ。化粧品のロレアルで幹部を務めた経験をもつおしゃれな人物で、モバイル技術の未来、そしてその未来においてサムスンが果たす役割について歯切れの良い英語で生き生きと語る。時には広報担当の部下たちから、もっと言葉を慎重に選ぶように求められるほどだ。

「あらゆるセレブや大物がギャラクシー・ギアを腕につけるようにしてみせる。つけていないと時代遅れだと思われるようになる」

だがサムスンはその前に「後追いメーカー」というイメージを払拭しなければならない。

サムスンの製品は物まねばかりだと言われると、同社の幹部はいらだちを見せる。一方で、スマートフォン事業がアップルの後追いであることを認める幹部は少なくない。

司法判断もこうしたイメージを強化する結果となっている。特許侵害をめぐる裁判でカリフォルニア州の裁判所は、アップルに9億3000万ドルの損害賠償を支払うようサムスンに命じた。

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